[Shade3D] テレビを置くシーンを作成

「DOKI for Shade3D」( http://www.ft-lab.ne.jp/shade3d/DOKI/ )を使用したレンダリングの3回目です。
作成していた古いテレビを置くシーンとして、和室の隅を作成しました。

Shade3D Standard ver.17.1.0、
DOKI for Shade3D ver.1.1.1.0、を使用しています。

レンダリング環境は以下になります。

OS : Windows 10
Mem : 16 GB
CPU : 4 x Intel(R) Core(TM) i5-2500 CPU @ 3.30GHz
Shade3D : Shade3D Standard ver.17.1.0

畳のモデリング

畳の3D形状は、4年ほど前に作ったコンテンツの再利用です。
元データはどこかに行ってしまったので、3Dモデルだけ、、、、。

畳は、1760(mm) x 880(mm)のサイズとしています(江戸間相当)。

畳は和室の畳の写真を撮り、タイリング加工しました(「Substance B2M3」( https://store.steampowered.com/app/325910/Substance_B2M3/ )を使用)。

畳の縁は、元の画像素材をAffinity Designerで作成し、Substance Designer( https://www.substance3d.com/products/substance-designer/ )で刺繍っぽくなるように加工しています。

和室の隅のシーンを作成

畳の配置

新規シーンで、畳の隅のシーンを作っていきます。
畳の形状をインポートし、4枚分を以下のように配置。

壁と幅木の配置

ポリゴンメッシュの2面で壁を配置。

和室の場合は「幅木」は低い位置に指定、であるので「ループスライス」を使って切れ目を入れています。

壁と幅木は、それぞれマテリアル(マスターサーフェス)を与えました。

壁のマテリアル

DOKI for Shade3Dの「PBRマテリアル」を割り当てています。

拡散反射 0.9、屈折 1.5、荒さ 0.5としました。

マッピングは「イメージ/拡散反射」を乗算合成、「イメージ/法線」を乗算合成しています。

テクスチャは、ShadeExplorerの表面材質からpaperの素材を使用しました。
法線マップはShade3Dチュートリアルの「「フライパン」のモデリング(PBRマテリアルを割り当て)」からダウンロードしました。

幅木のマテリアル

DOKI for Shade3Dの「PBRマテリアル」を割り当てています。
マッピングは未使用です。

テレビを配置

テレビをシーンにインポートし、部屋の角に配置します。

角部分に木の柱を配置

ポリゴンメッシュの直方体で、角部分に木の柱を配置します。

マテリアルは以下のように木のテクスチャを指定しています。

背景を指定

背景は、ShadeExplorerより読み込みました。
会議室の背景を指定しています。

背景の明るさは背景ウィンドウの「通常」の右のスライダで調整、
「方向」で背景の向きを指定します。
この指定により、映り込み具合や全体的な明るさは大きく変わるため、レンダリングしながら確認するのがいいかと思います。

被写体の形状に「映り込み」がある場合は、背景の指定は必須であると見たほうがいいです。
リアルになるかならないかは、背景のIBLの影響が大きいかもしれません。

無限遠光源を無効化

室内シーンであるため、無限遠光源ウィンドウで「明るさ」を0にして無限遠光源は無効にします。

面光源を指定

面光源は、真上からと、横からの2つを配置しました。

リアルを目指す場合は、光源は「面積を持つ光源」を配置するようにします。
点光源やスポットライトは手軽でいいのですが、面積を持たないため少しリアルさに欠けてしまいます。
なお、DOKI for Shade3D(OSPRay)では点光源の半径を指定できるため、電球などの場合は点光源の半径を指定することでリアルに近づけることができます。

レンダリング

レンダリング設定ウィンドウで「手法」をDOKIとし、設定より「トーンマップ」タブで「プリセット」を「フィルム」としてレンダリングしました。
「レンダリング設定」タブはデフォルトのままの指定です。

なお、色補正ウィンドウの「ガンマ」は2.2にしておきます。

カメラを引いた状態のレンダリングは以下の感じ。

800 x 600ピクセルで30秒でレンダリング。
面光源本体はレンダリングで反映されるため、面光源が映らない位置にカメラを移動させます。


いい感じになりました。
800 x 600ピクセルで68秒でレンダリング。

なお、このままレンダリング手法を「パストレーシング」、大域照明「パストレーシング」でイラディアンスキャッシュありでレンダリングした場合、
253秒かかりました。
(かつ、高周波ノイズが残ります)

今回はここまでです。
リアルを目指す場合のまとめとして、以下を念頭に置きました。

  • リニアワークフローにする (DOKI for Shade3Dではリニアワークフローを考慮しているため何もせずでOK)
  • 室内シーンの場合、無限遠光源を無効にする
  • 背景(IBL)を指定する
  • 面積のある光源(面光源)を使用する

次回は、このテレビに動画を割り当てたアニメーションレンダリングを行う予定です。